| 遺言の方式は、大別して普通方式と特別方式の2種類あります。特別方式は病床や遭難など特別な事情のときに用いられるものであり、一般的に遺言を作成する場合は普通方式を用います。
普通方式には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。中でも特に、自筆証書遺言と公正証書遺言が一般的に用いられています。
それぞれの特徴等をまとめてみました。自分の目的に合った遺言方式を選びましょう。
自筆証書遺言
遺言者が自分で書いて自分ではんこを押す遺言。一般的に遺言と聞いてイメージするのは、この自筆証書遺言のことです。一見、簡単そうですが、法的に有効な遺言とするための要件が最も厳しく定められています。
読んで字の如く自筆証書ですから、ワープロ作成不可です。必ず自筆によらなければなりません。押印も必要です。遺言の日付は、年月日までしっかり特定できるよう書いてない遺言は無効ですので、忘れないように。要件を満たしてない遺言は無効になってしいます。また、自筆であるが故に、書き落とし等の不備があり得ます。
なお、遺言執行のためには、相続開始後に裁判所の検認が必要となります。(時間がかかるので、結構面倒です。)
長所:遺言を秘密にしておける。作成費用が少なくてすむ。
短所:発見されない、または変造される恐れがある。内容が不適格な恐れがある。
公正証書遺言
遺言者の口述に基づき、公証人が筆記して遺言書を作成する方法。公証人の立会いのもとで作成するため、法的に有効信用性の高い遺言書を作成できます。作成時の費用はそれなりにかかりますが、検認は不要です。また、原本は最低20年間、公証人役場に保存されるため、遺言の変造
・紛失を防止できます。
作るのには最も手間のかかる方式ですが、後々のことを考えると一番スムースに事が運びやすい方式です。検認が不要なのも大きいです。
長所:変造・紛失を防止できる。適法な遺言が作成できる。
短所:費用がかかる。遺言を秘密にできない。(証人に知られる)
秘密証書遺言
遺言の存在を明確にしつつ、内容を秘密にして作成する方法。封をした上で公証人 ・証人 ・遺言者が署名押印します。遺言に封をしてから公証人に提出するので遺言の秘密は守られますが、内容については公証人はチェックしないので、要件を欠いていたために遺言自体が無効になってしまう可能性があります。
また、自筆証書遺言同様、執行時に裁判所の検認が必要となります。
長所:変造を防止できる。内容の秘密が保てる。
短所:内容が不適格な恐れがある。
一覧表
| |
証人、立会人
|
筆者
|
署名押印
|
| 自筆証書遺言 |
不要
|
本人
|
本人
(拇印でも可)
|
| 公正証書遺言 |
証人2人以上
|
公証人
|
本人、証人
及び公証人
|
| 秘密証書遺言 |
公証人1人及び
証人2人以上に
遺言書を提出
|
誰でも可
|
本人
(封筒に本人、
証人及び
公証人)
|
なお、未成年者は遺言の証人になることができません。
|